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共感マーケティング

共感マーケティングとは、
「ユーザーの共感を生む仕組みづくりをすることで、
企業の売上向上を狙うマーケティング手法」です。

モノを作れば売れる時代から、モノがあふれて
顧客側がモノを選ぶ時代に変わりました。

アフィリエイトなどが発達することで
ネット上の評判というのは信頼度が落ち、
SNSなどで投稿される顧客の生の声の重要性が高まっています。

この顧客の生の声、抽象的に言うと評判、
口コミを生み出す仕組みを戦略的に整えようというの
が共感マーケティングの考え方です。

共感マーケティングはたくさんの企業で導入されています。

例えば無印良品のコンセプトは「簡潔」「シンプル」「ミニマリスト」などの
単語で表現されますが、商品だけでなく
店舗スペースにもこのコンセプトが見て取れます。

このコンセプトが顧客にも浸透した結果、
無印良品には熱狂的なファンが多く、「ムジラー」と呼ばれる言葉も生み出されるほどです。

ファンに愛され、ファン達によってSNSなどで無印良品の良さが伝播する。

無印良品の事例は共感マーケティングの最たるものと言えるでしょう。

なぜ共感マーケティングが増えてきたということについては

ご存知の方も多いかと思いますが、AIDMAモデルとは
Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)
という形で消費者がモノを購入するプロセスを表現しています。

一方で近年提唱されたAISASモデルとは
Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)
というフローで消費者の購買プロセスを表現します。

ここでそれぞれの詳細解説は省きますが、
着目いただきたいのは両者の差です。

AIDMAモデルでは個人で購入が完結するのに対し、
AISASモデルでは「検索」、「共有」フェーズで他者との情報のやりとりが生じます。

購買プロセスに他者からの評価という基準が入った
今だからこそ、共感マーケティングで消費者側に情報の拡散を起こす仕組みを
構築することが必要になるわけです。


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私たちは役立つ情報にあえて背を向けている
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皆さんは

「退職金積立の額は、仕事仲間と比べてどうか」 

「同僚はあなたの強みと弱みをどう評価しているのか」

など、自分に役立ちそうな情報を知りたいですか?

ある大学研究者が2300人以上を調査したところ、
平均して32%の人が望まないことが判明しました。

自分に役立つ情報にあえて背を向けているという結論になります。

なぜ役立ちそうな情報を退けようとするのでしょうか。

影響のありそうな要素が2つあります。

1つ目が

「行動可能であると感じられるのか」

ということです。

情報を知ってもそれに応じた行動が取れないだろうと感じると、
その情報を欲しがらなくなります。

2つ目が

「自己イメージが傷つく可能性があるかどうか」

ということです。

例えば、

自分が職場でどれだけの時間を無駄にしてしまっているのかは知りたくない。

同僚が実際自分のことをどう思っているのかは知りたくない。

ということです。

知ることのメリットよりも心理的苦痛の方が大きくなると、
自分に役立つ可能性がある情報であっても、
不快な思いをさせられる情報を回避する傾向があるということが言えます。

自分の信念やエゴを守りたいという理由から
反射的に何か情報を遮断していることはありませんか?

反射的に情報から目をそらすことと、
後になってよりよい意思決定を行える可能性はトレードオフと言えるでしょう。